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示談書が無効になる場合

示談(和解)は当事者の合意によって成立する契約の一種であり、一定の場合には無効となります。

【1】示談の要素に錯誤がある場合/錯誤無効(民法第95条)

原則として、契約というものは、その錯誤がなければ合意をしなかったであろうことが一般取引上の通念に照らしてもっともであると言える場合で、合意した側に重大な過失が無い場合には、無効を主張することが出来ます。

もっとも、示談(和解)契約には、争われている法律関係を確定させる効力がある(民法696条)ため、示談(和解)の目的となった係争事項について錯誤がある場合には、民法696条が適用され、錯誤無効の主張は許されません(最高裁昭和38年2月12日判決)。

ただし、争いの対象である法律関係ではなく、和解の前提として争わなかった事項に関して錯誤がある場合には、民法95条の適用があり、無効を主張することができます(大正6年9月18日判決、最高裁昭和33年6月14日判決)。

実際には、錯誤に関して争いが生じた場合、個別具体的に、事案に応じて裁判所が判断することになります。

【2】詐欺または脅迫による示談の場合(民法第96条)

詐欺または脅迫による意思表示で示談をした場合には、直ちに無効となる訳ではなく、取り消すことが可能となります。

つまり、そのまま有効な示談合意として確定することも、取り消して無効にすることも自由に選択することが出来るということです。

【3】公序良俗違反(民法第90条)

国家や社会の一般的な秩序に反するもの、倫理道徳や社会通念に反するものは、無効となります。

@財産秩序に反するもの

A倫理的秩序に反するもの

B基本的人権を侵害するもの



参考判例

配偶者のある者と、それを知っている第三者との間で結ばれた、将来婚姻をする旨の予約、およびそれに基づき婚姻・入籍するまで扶養料を支払う旨の契約
(大正9年5月28日判決)。

賭博債務を減額して支払うことにした和解につき「小切手金支払請求は公序良俗違反で許されず、その支払目的での和解も同じく公序良俗違反で無効とされるべきである」
(最高裁昭和46年4月9日判決)

16歳にも達しない少女が酌婦として稼働する旨の契約、およびこれに伴う消費貸借契約・連帯保証契約
(最高裁昭和30年10月7日判決)。


【4】真実の意思の合致がない場合

交通事故の後遺障害など、示談時に予想出来なかった後発損害が生じた場合、判例は、別途に追加の損害に関する賠償責任を認めています。


参考判例

「権利放棄条項は示談当時予想していた損害のみについてのものであって、不測の再手術や後遺症などその後に発生した損害についての請求権まで放棄した趣旨と解するのは当事者の合理的意思に合致しない」
(最高裁昭和43年3月15日判決)



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